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アラフォーからの挑戦状。

日本語パートナーズの応募倍率はおよそ5倍です。

アジアの国々で日本語を教える国際交流基金主催の日本語パートナーズ事業。応募に特別な資格は必要なく、待遇も手厚い非常に人気のプログラムです。
そんな日本語パートナーズ事業の倍率はどのぐらいなのでしょうか。応募する方にとっては非常に気になる点ですよね。

ところが、日本語パートナーズの場合、青年海外協力隊などのようには簡単に倍率を見つけることができません。日本語パートナーズの公式ページには書いていませんし、ブログなどで情報を探しても、「公表されていません!」とか「噂では3〜10倍らしい」とか曖昧な情報しか出てこないようです。
以前の説明会で、「倍率はどのぐらいですか」と質問された方がいましたが、司会の方に「はい、気になりますよね。でも、それは答えられないことになっているんです」と返されていました。

今日はそんな謎に包まれた日本語パートナーズの倍率について考えてみたいと思います。

公式による発表

「謎に包まれた」などと言っておきながら、いきなり答えを言ってしまいます。
およそ5倍だそうです。

実は、国際交流基金が公表している数字を簡単に調べられます。国際交流基金は独立行政法人なので事業内容を公開する義務があるためです。これは非常に参考になります。
ただ、僕が調べた限りでは、詳しい計算方法までは見つけられませんでした。推薦枠や多重応募など、細かいところをどのように計算して出された数字なのかはわかりません。

日経

「定年退職したシニア層と海外体験を求める学生を中心に募ったところ、何と5倍以上の応募者が集まり、選考にうれしい悲鳴を上げた。」

(国際交流基金の理事長談)※日本経済新聞夕刊「あすへの話題」(2014年10月22日付)に掲載。

これは少し古い情報で、日本語パートナーズ事業の初期の話です。このころは派遣先も派遣人数も今よりだいぶ少ないのですが、一方で知名度も高くなく、倍率は5倍ほどだったようです。
理事長のコメントから、この事業を立ち上げるときには不安があったことが窺えますね。

業務実績等報告書

国際交流基金は業務実績等報告書というものを公表しており、その中で日本語パートナーズへの応募倍率にも言及されています。

国際交流基金 業務実績等報告書

  • 2015年度 4.1倍
  • 2016年度 4.8倍
  • 2017年度 5.2倍

これを見ると、倍率は少しずつ上昇傾向にあるようなので、2018年度の年間トータルは5〜6倍といったところでしょう。複数併願などどのように計算しているかまでは記載されていませんでしたが、単純に考えると(総応募人数)/(派遣人数)ですかね。
もちろん国によってばらつきが大きいと思います。シンガポールなんかはかなり倍率が高そうですね。

1次選考の倍率についての考察

僕は2018年度第2〜4回の計3度の募集に応募しました。その時の経験を参考に応募人数を推測してみます。
まずは1次選考の書類選考についてです。

アラフォーマンの登録番号

第2回 募集計100名程度
(タイ50名程度、ミャンマー5名、インドネシア40名程度、ラオス3名程度)
登録番号は2000番台半ばでした。登録時期が期限ぎりぎりだったので、おおよそ応募人数と一致しているかと思われます。

第3回 募集計110名程度
(フィリピン13名、ベトナム35名、インドネシア60名程度、カンボジア1名)
登録番号は1000番台半ばでした。登録時期は募集開始から1週間ですので、早くも遅くもない感じですね。

第4回 募集計15名 (台湾15名)
登録番号は2000番台前半でした。登録時期が募集開始から3週間程経っているので、かなり後の方の番号だと思います。

ウェブ登録者と書類応募者

登録番号がウェブ登録者の人数とイコールだと仮定して、多くは書類郵送までいっていないようですね。各回2000人が全員応募してきたとすると倍率が20倍になっちゃいます。倍率から逆算すると、書類選考に応募しているのは600人程度だと考えられます。

台湾について

そして、驚きなのが第4回の登録人数の多さ。第4回は台湾15名だけの募集なのに、他の回(100名程度募集)と同等の登録者がいるようです。
「台湾の派遣時期も第3回の国々と同時期なのに、なぜ台湾だけ募集をずらしているのだろう」と不思議に思っていましたが、その謎が解けた気がしました。応募者が多いので、選考の負担を均すために別枠を設けたということではないでしょうか。

そして、募集を分けたことで、台湾の応募者はより増えることになりそうですね。派遣希望先選択が優先順位を付けられないシステムであるため、複数併願の場合だと「派遣されるのならどこでも行くけど、できれば行きたい国がある」という応募者にとってやりづらいものがあります。
その点、単独募集であれば優先度を考えずにとりあえず応募することができます。台湾より志望順位の高い国があるならそれにまず応募して、それ以外にも台湾に応募すれば良いからです。

そう思えば、僕が台湾選考に漏れたことも致し方ないことだったのでしょう。きっとそうですね!

2次選考の倍率についての考察

次に2次選考について考えてみましょう。2次選考は面接ですね。
以下の考察では国ごとのばらつきを無視して、各募集回ごとに一まとめで考えています。

面接を受けている人数

これは結構簡単に推測できます。第2次選考の面接日数がそのまま候補者の人数と比例すると考えられるからです。

まずは募集人数と面接日数の関係を見てみましょう。

    募集人数   面接予定日
第1回計27名日数5日 × 東京
第2回計100名程度 日数5日 × 東京、大阪 
第3回計110名程度日数5日 × 東京、大阪
第4回 15名日数3日 × 東京

ここで気になるのは、「1日に何人の面接を行うのか」ということです。

まず、1日の受験者数です。
募集要項によると、面接時間は10時〜18時との記載があります。各回1時間ですので、お昼休憩が1時間あるとすると、日に最大7グループの選考を行っていることになります。また、1回のグループは8人が集められていました。よって、1日最大60人程度が面接を受けていそうです。

次に、面接会場が2か所ある場合についてですが、これは見込まれる応募人数に合わせて人数比を設定していると思います。
見込まれる応募人数は大まかに人口に比例しますね。東京会場を希望するだろう東日本も大阪を希望するだろう西日本も人口はさほど変わらず、共に6000万人台です。ですので、会場が2つある日程は単純に2倍の受験者がいると考えても良さそうです。

これらから、面接を受けている人数は、第2回の場合で60人×5日×2か所=600人ということになります。

…あれ?
2次の時点でまだ6倍の倍率?
何だか計算が合いません。

ずれを推測で補足すると

ずれの原因として考えられるのは、「2次の候補者の見積りを間違っている」といったところでしょうか。

では、どの程度の候補者が2次面接に進んでいるのかですが、これは明確な答えを出せません。1日7グループを回していないのかもしれないし、毎回8人を集めているわけではないのかもしれないし、5日の候補日のうち何日か休みがあるのかもしれないし、東京会場と大阪会場で人数が異なるのかもしれません。どの可能性も否定できないため、具体的な数字は出てきそうにありませんね。

コメントでいただいた情報では、開始時間が○○時30分~という場合もあるということでした(魚さん、情報ありがとうございます)。休憩が途中に挟まれて一日5グループぐらいになっていそうですね。
諸々をざっと考えて一日30人ぐらいの受験でしょうか。30人×5日×2か所=300人だとすると、面接の倍率は3倍です。この数字には色々不確定要素を含んでいるので、あくまで目安として考えてくださいね。

各募集回ごとの面接倍率を考える

1日に何人が面接を受けているか、具体的な数字はわかりませんでした。
気を取り直して、各募集回ごとの面接日数と募集人数を比較して、第1次選考を通過できた場合の面接の通りやすさを考えてみましょう。

まず、先ほどの人数を再掲します。

    募集人数   面接予定日
第1回計27名日数5日 × 東京
第2回計100名程度日数5日 × 東京、大阪
第3回計110名程度日数5日 × 東京、大阪
第4回15名日数3日 × 東京

募集人数を面接予定日で割ると、第1回と第4回は面接1日当たり約5人、第2回と第3回は面接1日当たり約10人となっています。書類選考を通過できた場合、面接は第2回、第3回の方が通りやすいのかもしれませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
日本語パートナーズ事業の倍率は、全て含めると約5倍だということがわかりました。しかし、国ごとのばらつきは大きく、例えば台湾は比較的狭き門となっていそうです。
5倍って、あらためて考えてもかなり大変ですよね。特に、面接で一緒になった方たちはみなさん優秀な方ばかりでしたので、その方たちより良い評価を得るためには相当自分を売り込む準備が必要だと思います。この記事を読むことで書類や面接の準備へのモチベーションに繋げていただければ幸いです。選考の流れについては選考を申し込みからすべて解説をご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。あなたの選考がうまくいきますように。
それでは今日はこの辺で。

コメント

  • のりさん
    コメントありがとうございます。
    色々なご意見がありますね。参考になります。

  • 日本語パートナーズの書類で落ちる方は、日本語パートナーズを任せられない何かがあるので諦めた方がいいと思います。
    面接で落ちる場合は、そのうち募集枠の多いところにはひっかかると思うので、諦めずに経験者の雰囲気、発言、姿勢を見て勉強したらいいと思います。
    日本語パートナーズは対策して受かるものではなく、その人の人間性で受かるものです。

  • 魚さん
    こんにちは。ご来訪、コメントありがとうございます。
    30分からスタートの場合もあるのですね。そして、一組2~3人だと、全体としてそれほど多くはないのかもと思いました。情報すごく参考になります。
    面接、良い知らせが届くと嬉しいです。もし無事に選ばれたら、現地の高校生と思いっきり楽しんできてくださいね!:-)

  • こんにちは。先日台湾の面接を受けた者です。分析がとても参考になりました。
    私は〇〇時30分~という半端な区切りスタートだったので、10時からびっちり1時間ずつやっているわけではなさそうでした。人数は、2~3人ずつのグループだと説明がありました。ただ、私達のあとにもすぐに次のグループが来ますと説明はありましたので、そこそこグループ数があるようでした。
    面接の手ごたえはゼロです。。

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