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アラフォーからの挑戦状。

一期二会

フィリピン旅行で知り合ったサムと一緒に東京観光をしてきました。

サムと出会ったのはボホール島の宿 Open Door Heaven。何の変哲もない安宿です。西日の差し込む4人部屋で飛び交う蚊と闘いながら、僕らはちょっとだけ話をしました。

穏やかな口調で笑顔を絶やさず話を紡ぐ、小柄な彼はイタリア人だそうです。
ダイビングが好きで、フィリピンにもまあまあ長く滞在しているようです。僕がこれから向かうシキホル島も彼は既に訪れたらしく、おすすめのスポットなんかを教えてもらいました。

たわいのない会話の後、僕らは一旦さよならしました。一人で外を歩いて夕日を求めてさまよって、道端でフライドチキンを食べて。
それから宿に戻って歯を磨いていると、再びサムと遭遇しました。洗面所の前の薄汚れた廊下で、僕らはちょっとだけ話をしました。

話を聞くと、彼はまだ3か月くらい旅をしてまわるのだそうです。香港に台湾にベトナムに、それぞれ数週間滞在するみたいです。ヨーロッパの人は長い休みが取れて羨ましいですね。
彼はオーストラリア時代に日本人の友達もできたそうで、フィリピンのあとは日本にも行く予定なんだと言っていました。

そうか、日本も楽しんでね、そう言って僕らはおやすみしました。まだ夜は更けたばかりだけど、旅の疲れをまとっていると、どんなときでもすぐ寝てしまいます。

翌朝、遅めに目を覚まして、のんびりと出発の準備をしていました。その日のフェリーや宿を調べたり、宿の犬と戯れたり。
そんなときサムがやって来ました。手には宿のサービスのコーヒーを抱えています。まだまだ朝だというのに既に暑いフィリピンの青空の下で、僕らはちょっとだけ話をしました。

彼は現在はイタリアに住んでおらず、この4年間オーストラリアで働いていたそうです。自分のイタリアンレストランを構えていたのだとか。だけど、先日店をたたんで、オーストラリアを離れたのだと言います。
へぇ、なんだか大変だったのかな。でも面白そうな経験だ。長いお休み中のヨーロッパ人じゃなかったんだね。

OK、そろそろ出発の時間だ。僕はもう行くよ。もしサムが日本に来るなら連絡をちょうだい。一緒にご飯でも食べようや。

宿で出会って話を交わしただけの、薄い薄いその関係。行動を共にしたわけでも、お酒を飲んで語ったわけでもない。お互いの齢も趣味も、ファミリーネームですら知らないままで。
それでも、薄い関係だって3枚も重ねれば、次につながったっていいんじゃない?

そうして今日、サムと一緒に東京駅の周りを散策してきました。あまり特別なことはしていないけど、ちゃんと喜んでくれたみたいです。よかったな。日本が好きだと言ってくれた。

旅は大体一期一会。たまにはボーナス一期二会。
二度あることは三度ある?あっても良いし、なくても良いさ。今日は来てくれてありがとう。

それではね。元気でね。
また会えるのなら、その日まで。

Samと昼飯
新橋で刺身定食 乾杯は麦茶にて

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