雪が降ったよ
寒かった。
目は覚めたものの、布団から出るのが億劫だった。でも、そうも言ってられない。そろそろ行かなきゃ学校に遅れてしまう。
シャワーを浴び、朝食のシリアルと果物を食べ、コートを羽織って表に出た。
目に映ったのはたくさんの足跡。僕より早く一日を始めた人たちがそこに残していったんだ。
そうか、寒かったのはそういうことだったのか。
ついに雪に出会った。
今年のヨーロッパは異常に暖かいらしく、これまでとんと雪におめにかかることはなかった。デンマークでも、エストニアでも、フィンランドでも、「こんなの冬じゃない」という声を聞いた。
普段のヨーロッパは知らないけれど、やっぱり冬は寒くてこそだと僕も思う。
やっと、降った、雪。
僕は雪国生まれ。雪と共に育った。一面の白さに心が弾むのは、多分そのせいなんだろうなと思う。
歳はアラフォー、性別は男。風薫る季節、北の大地で生を受ける。家庭なし、収入なし、計画性なし。まだ知らぬ場所での生活にあこがれて旅立ってしまったアラフォーマン。
2019年5月に日本を離れ、デンマーク、リトアニア、ジョージアなどで学校に通ったりしながら過ごす。2024年9月現在、日本語を教えるボランティアとしてベトナムに滞在中。
好きなもの:公園、散歩、ジャグリング
苦手なこと:料理、おしゃれ、あと泳げません
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ビリニュスはどこの国?
生まれながらに恵まれている