カザフスタン(2) そこで待っててよ
2019年7月1日(月)
ビシュケクから飛行機でアルマトイにやってきました。短いフライトの間に隣席の男と意気投合したのでした。
少し待っててくれ
アルマトイ到着時刻は午前10時頃。次のヌルスルタン行きの便が18:30発なので、8時間程度の自由時間があります。
隣席だった彼が食事に行こうぜと誘ってくれます。僕がシャウルマ好きなのを知って、アルマトイで一押しのシャウルマを出すカフェに連れていってくれるのだと。
ただ、その前に彼には空港でやるべきことがいくつかありました。
その度彼は言いました。「ちょっと待っててくれ」と。
まず最初に行ったのはフライトの変更の手続きです。僕はあまり理解できなかったのですが、航空会社から彼に対して一方的にフライト時間変更の連絡があったそうで、なぜか夜中の便にされてしまったのだとか。
これをもっと早い便に振り替えてくれるようチケットカウンターで交渉したところ、15分ほどで無事に13時台の便をゲットできたようです。めでたしめでたし。
次に、荷物のクレームです。預け入れ荷物をアルマトイで受け取ったとき、スーツケースが破損して角が割れていました。それも補償を求めて話していました。
話し合いがうまくいったのかはわかりませんが、破損箇所の写真を撮ったりなんだりして5分程度で手続きは終わりました。
最後に、荷物の再預け入れです。フライトの変更の可能性があったため一度受け取った大きなスーツケースを、昼ごはんを食べに行く前にもう一度預け入れます。
この、一番あっさりいきそうなところがちょっと難航したようでして。乗り継ぎ便のチェックインをしているのにフライトを変更したからでしょうか?すんなりと荷物を受け取ってくれません。
△写真
僕はチェックインカウンターの列の後ろで本を読みながら待っていました。
彼がカウンターについてから5分···10分···。まだ彼は係の男の人と何かを話しています。
15分ほどした頃でしょうか、カウンターから彼の姿が見えなくなっていました。
あれ、いない?どこにいるんだろう?ときょろきょろ周りを見回すも、どこにも彼は見当たりません。どうやらはぐれてしまったようです。
今どきの待ち合わせは
うわー、僕がまだ待っていたことに気付かずに行っちゃったのか。
まぁそんなこともあるだろうけど、残念です。もっと話したかったし、美味しいシャウルマも食べたかった。
彼は彼で、僕が先に行っちゃったと思ったんだろうなぁ。
でも、僕には打つ手がありました。彼が電話番号を紙に書いてくれていたのです。
まだカザフスタンに来たばっかりで電話が使えませんが、SIMカードを買って連絡してみましょう。
僕はあまり旅慣れていないので、この6月まで海外でSIMカードを買ったことはありませんでした。その6月というのも、人に助けてもらって買っただけで、どうすれば良いのかほとんど知りません。
でも、1度だけとは言えキルギスでも経験しているんです。そんなに難しいことはありませんでした。設定は全部店員がやってくれましたし。きっと何とかなるでしょう。
そこらを観光するより、こういうのがずっとワクワクします。できることを1つ増やす。大層に言えばそんな感覚です。
それにしても、今の時代に待ち合わせなんてもう似合わないんだって、ついこないだ書いたばかりのような気がします。あれは今回の話につながる伏線だったのでしょうか。1週間も経たずに回収完了ですね。
夕方の空港で
アルマトイは大きな街でした。由緒ある大都会という雰囲気で、風は砂の香りを運んできます。見所もいっぱいあるみたいですし、ビシュケクの人たちが憧れるのもわかる気がします。
アルマトイ所感終わり。
バスに乗ったりバス停を間違えたりしながら、夕方のアルマトイ空港に戻ってきました。出発ロビーで静かに飛行機の登場時間を待ちます。
そのとき、手に握られた携帯電話がブルッと震えました。SIMカードはもちろん装着済みです。
「俺はもうヌルスルタンにいるよ。こっちに着いたら連絡してくれ!」
ありがとう、もう3時間ばかり待ってもらっても良いかい。携帯電話があるんだから今度の待ち合わせはばっちりうまくいくさ。
ヌルスルタンの夜編に続きます。
歳はアラフォー、性別は男。風薫る季節、北の大地で生を受ける。家庭なし、収入なし、計画性なし。まだ知らぬ場所での生活にあこがれて旅立ってしまったアラフォーマン。
2019年5月に日本を離れ、デンマーク、リトアニア、ジョージアなどで学校に通ったりしながら過ごす。2024年9月現在、日本語を教えるボランティアとしてベトナムに滞在中。
好きなもの:公園、散歩、ジャグリング
苦手なこと:料理、おしゃれ、あと泳げません