海外の教科書のファニーなイラスト
こんにちは、アラフォーマンです。
今日はタリン大学ウィンタースクールで使っているエストニア語の教科書をご紹介。
初めてのエストニア語教科書
この教科書、かなり良いです。
説明も演習もエストニア語だけで書かれている本で、いろんな要素がポイントごとにコンパクトに整理されていて呑み込みやすい。青黒2色カラーのデザインも見やすいです。
表紙に下段に「A1 + A2 + B1」と書いていますね。200ページほどの教科書ですが、修了した時にはB1レベルまで到達できるようです。そう思うと俄然やる気もわいてきます。
ロバートと共に
文章も教科書っぽくなくて良いです。
ロバートというおじさんが度々登場するのですが、彼が出てくるたびに突っ込みたくなる発言を残していきます。
例えば、初登場時の自己紹介。彼はこう言い放ちます。
Ma olen ilus, tark ja hea.
(私はかっこよく、賢くて良い男だ。)
おい、それ自分で言うことじゃないだろ。また、同様に妻のことも「もちろん、美しくて素敵な女性だ」と言い切ります。その自信はどこから来るのか。
まぁ悪い奴ではないようですけど。
後の登場では飼い猫の好物はチョコレートと言い放ったりもします。まさか教科書でそんな文章に出会うなんて思いませんでした。
猫にチョコレートは毒!絶対にあげてはいけませんよ!
ファニーなイラスト
エストニアに限らず、海外のイラストは日本人の感覚とはちょっとずれていることが多いですよね。妙にリアルだったり、デフォルメの方向が違うなぁと感じたり。
それでも、デフォルメして可愛くしているんだなという姿勢は伺えます。
しかし、この教科書は違う。この教科書の絵からは、そんな軟弱な姿勢は微塵も伺えません。
言語の教科書の初めの一歩、第一章の挨拶からしてコレ。左から「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」です。
太陽さんよ。朝のちょっとイラっとする顔はまだ良いとして、夕方なんだよその表情。小学生がスマホでゲームやってるときに、親に「買い物行ってきて」と言われて「えぇ?……いいけど」って言うときの顔だよ。昼間のさわやか太陽はどこへ消えた。
こんな感じで、「ちょっと違う」絵がそこかしこにあふれています。それがずっと続くもんだから、段々とそれにも慣れてきます。
こんな絵も愛嬌があって良いじゃないか。そう思うでしょう?
ちょっとこの絵を見てください。
梨の木とサクランボとミツバチと、メルヘンチックな絵の中に一人の女性。
何でこのおばさん裸足なんだろうとか、なんだか邪悪な顔してるなとか突っ込みどころはありますが、慣れって怖いですね。ここまで来るとそんなことは全く気にならなくなります。
そして添えられた文章がこちら。
Mis selle tüdruku nimi on?
(この少女の名前は何だと思いますか?)
ええ、少女だったの?え、この顔で?
言われてみれば裸足でワンピースという服装は女の子っぽいな…。けど口元のしわやアゴのたるみ、メイクや鼻筋は完全におばちゃんのそれじゃない?
そして何より、デスノートの月くんと張れるぐらい「計画通り」って顔しているのが気になるよ!
どうしてもっとかわいく描いてやらないのだろう。まったく理解に苦しみます。
そして肝心の質問は「この女の子の名前は何でしょうか」
どこかに答えがあるわけではありません。「あなたが適当に名前を考えてあげてね」というタイプの質問です。
この時ほど強く感じたことはありませんね。
「最高にどうでも良い」と。
でも、本当に良い教科書です
とまぁ色々と面白いところはありますが、それも含めて僕はこの教科書が大好きです。
全25章に区切られた章ごとの分量も丁度良いし、説明の進み方のテンポも良いです。新出単語が変化形まで含めて提示されていたりと親切です。何より気に入っているのは、その段階の知識で読める長めの文章が用意されていること。
普通、語学学習の初期で読める文章というのは高が知れています。ただの挨拶だったり、簡単な疑問文とその答えだったり。
でも、この教科書では序盤からロバートの突っ込みどころ満載のモノローグが読めるんです。それってすごく達成感のあることだと思いませんか?
これに関しては、もしかして単にエストニア語が簡単だということによるのかもしれません。一度他のエストニア語教科書と比べてみないとわかりませんね。
ま、とにかく、この教科書で僕らは楽しく学んでいます。
歳はアラフォー、性別は男。風薫る季節、北の大地で生を受ける。家庭なし、収入なし、計画性なし。まだ知らぬ場所での生活にあこがれて旅立ってしまったアラフォーマン。
2019年5月に日本を離れ、デンマーク、リトアニア、ジョージアなどで学校に通ったりしながら過ごす。2024年9月現在、日本語を教えるボランティアとしてベトナムに滞在中。
好きなもの:公園、散歩、ジャグリング
苦手なこと:料理、おしゃれ、あと泳げません