カザフスタン(3) 宿探しゲーム ヌルスルタン編
2019年7月1日(月)
アルマトイ行きのフライトで仲良くなった隣席の男とは、昼ごはんを食べることなくはぐれました。何とか携帯電話で連絡を取り、彼の待つヌルスルタンに向かいます。
ヌルスルタン行きのフライト
アルマトイからヌルスルタン行きの飛行機は、定刻から40分ほど遅れて飛び立ちました。
2時間弱の飛行時間。機体はビシュケク→アルマトイと同様の片側2人席です。
今度の隣席は60代ぐらいのガタイの良いおっちゃんでした。ホントでっかいな。
飛行機がのろのろと陸上を動き出したとき、おっちゃんが窓の外を示して何やら言ってきました。しかし何を言いたいのだか僕にはさっぱりわかりません。
「ゆっくり話してください」とか、「ロシア語はあまり上手ではありません」とか言ってもおっちゃんの話し方は変わらず。窓の外を指差してなんかかんか言っております。
悪いなおっちゃん、僕はあんたに付き合ってられねぇ。だって何言ってんだかわかんねぇんだ。
まだまだ、まともに話せるかどうかは相手次第です。
フライト中には軽い食事が出ました。飲み物もついているし、国内便なのにサービスが良いですね。
このゲストハウスを知っていますか
21:20頃、ヌルスルタン空港に到着しました。
まだ空は明るいけど、そろそろ日も落ちそうです。
空港からバスに乗り本日のお宿に向かいます。こんなときネットワークがあるととても安心ですね。SIMカード様々です。
そして宿の住所に到着し···どうやら宿は普通のマンションの一室タイプでした。
このタイプの宿、苦手なんですよね。外観からは普通の部屋と相違ないのでなかなか見つけられないのです。
ここから部屋探しゲームか。既に時刻は22時を回り、日もすっかり落ちました。果たして無事に見付けられるのでしょうか。
まずは建物1階にある小型スーパーで質問です。
レジのおばちゃんちょっと考えて、思い付いたように言いました。「そこの出口を出て左すぐだよ」
出口を出て左に行くといくつかの入口が並んでいます。正解の入口はどこでしょう。
ベンチに腰かけていたおばちゃんに尋ねます。おばちゃん自信ありげにこう言います。「こっちじゃない。ホステルはあの門をくぐって右さ」
門をくぐって右に歩くと、安ホテルのフロントがありました。明らかにここじゃありません。仕方がない、ここで聞いてみましょう。
フロントのおばちゃん曰く、「今来た門を戻って反対側よ」
再び門を通り抜けましたが、反対側と言うのがいまいちわかりません。道行く2人組に尋ねてみました。
「えーと、この住所はこの建物だよね。この番地はどこだろう」「あら、ホステルなら私知ってるわ。すぐそこよ。こっちこっち」
すぐそこ、20mほど歩いたところの入口前に立ったお姉さんは、ここの3階よと言いました。しかし、住所には7階と書いてありますが···?
「あら、じゃあここじゃなかったわね。ごめんなさい、わからないわ」
笑顔で2人組は去っていきました。
才媛現る
近所の住人たちがホステルを知らないのも無理はありません。こういうタイプの宿は看板も出さずにひっそりと営業しているものですから。
気を取り直して、ホテルのおばちゃんの言っていた反対側ってこの辺···?と歩いてみましたが、やっぱり全然わかりません。ちょうど高校生ぐらいのお嬢さんが通りかかったので捕まえて尋ねました。
「えーとこの住所なら···こっちね」と彼女は歩き出しました。最初に訪れた小型スーパーの前で立ち止まり、えーと、もう一度住所を見せてと言います。住所を確認した後、「こっちじゃないわね、あっちね」と再び歩き出しました。そして、どこかを指差して言いました。「えーっと、···あれ?」
空回りしつつも僕を助けてくれる気持ちが満々で、そんな優しさが嬉しいですね。ちょっとお願いをしてホステルに電話をかけてもらい、スタッフが迎えに来てくれることになりました。
その間に少しお話したところ、彼女は朝鮮系のカザフスタン人で、ロシア語、カザフ語、英語に加え、なんとフランス語、アラビア語までをも自在に話すそうです。ロシア語ひとつに大苦戦の僕にも1つ分けてほしいところです。「韓国語は?」と尋ねると、韓国語はわからないんだーと照れくさそうに言っておりました。
5か国語、それも英語とフランス語以外はかなり構造の違う言語です。こういうのを才媛っていうのでしょうね。住所を読む能力はまた別みたいですけど。
助けてもらったお礼に折り紙のツルをプレゼント。すごく喜んでくれました。ありがとうね。
苦戦したけども、何とか無事に宿にチェックインできました。良かった良かった。
ただ、時刻は既に23時前。今からオシャレ髭の彼に会うのはちょっと厳しいでしょうか。ヌルスルタンの夜後編に続きます。
歳はアラフォー、性別は男。風薫る季節、北の大地で生を受ける。家庭なし、収入なし、計画性なし。まだ知らぬ場所での生活にあこがれて旅立ってしまったアラフォーマン。
2019年5月に日本を離れ、デンマーク、リトアニア、ジョージアなどで学校に通ったりしながら過ごす。2024年9月現在、日本語を教えるボランティアとしてベトナムに滞在中。
好きなもの:公園、散歩、ジャグリング
苦手なこと:料理、おしゃれ、あと泳げません