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アラフォーからの挑戦状。

フォルケホイスコーレに日本人多過ぎ問題

デンマークの伝統的な教育機関フォルケホイスコーレ。自由と個性を重んじ、課目だけではなくあらゆることを学ぶ学校。

今、そんなフォルケホイスコーレに通う日本人が増えています。

フォルケホイスコーレと日本人

フォルケホイスコーレは、「海外で生活をしてみたい!」という日本人にとって非常に魅力あふれる場所です。

憧れのヨーロッパで、日本とは大きく異なる文化の中で、英語の練習も兼ねながら興味のある分野について勉強ができる。しかもデンマーク政府からの補助金が出ているので、物価の高い北欧にありながらも安価に参加させてもらえる。
まさに至れり尽くせりの環境です。

日本人が増えている

そんなホイスコーレには、最近日本からの参加者がどんどん増えているそうです。ブログやSNSの影響もあるのでしょうね。

僕が通っていたカルーホイスコーレもそんな学校の一つです。
2年前には片手で足りる程度の参加者だったそうですが、2019年の秋期コースではなんと19人もの参加者がいました。全参加者の過半数を超え、堂々たる一位です。

他にも二桁の日本人を抱えるホイスコーレは多数あるようで、他のホイスコーレに通う生徒からも「最近日本人が増えてきているらしい」と聞きました。

日本人が多い学校に共通しているのは、「英語で授業が受けられる」ということ。

本来フォルケホイスコーレはデンマーク国民に向けてデザインされているものなので、多くはデンマーク語で運営されています。その中で、「国際的な学校にしたい!」というところは特に英語でのカリキュラムを開講しています。
デンマーク語が堪能な日本人はほとんどいません。そのため、自然と日本人は英語でコースが開講されている学校に集まるのですね。

日本人を制限するホイスコーレも

近年あまりに日本からの希望者が増えたため、人数の偏りを調整するため日本人学生を制限する学校も出てきました。

International People’s collage (IPC)というホイスコーレがあります。このホイスコーレでは学校名の通り、国際的な多様性を重んじて運営を進めようとしており、全ての授業が英語で行われています。
そこへアジアから押し寄せる日本人の波。このままでは多様性どころではなくなってしまいます。仕方なく、IPCは希望者の多すぎる国籍について人数調整を行うことにしました。

他にも、手芸を本格的に学べる学校として人気のスカルスホイスコーレなども日本人枠の上限を設けています。

日本人に制限をかけている多くのホイスコーレでは、特別な選考試験があるわけではなく、純粋に先着順で申し込みを受け付けています。希望する学校が決まっているなら、できるだけ早めに連絡を取ってみた方が良いでしょう。

カルーホイスコーレは制限していません

前述の通りとても日本人比率の高いカルーホイスコーレですが、副校長にどう思っているか尋ねてみたところ、とても好意的にとらえているようです。
考え方の一つとして参考にしてください。

まず、カルーホイスコーレはまだ受け入れ人数に余裕があります。生徒はみな寮に入るのですが、2019年の実績では15人分ぐらいのベッドが空いたままでした。
学校経営のためには1人でも多くの生徒が来てくれた方が良いに決まっています。日本人だろうと問題はありません。

それから、日本人の勤勉性も高く評価されていました。「真面目に授業に出る」「物を大切に使う」「共有スペースを綺麗にする」など、つまり日本人は手のかからない生徒だそうです。
学校側にしてみれば、ぜひぜひ来てくださいということのようです。

日本人が多いことによるメリットとデメリット

日本人が多いことで生じるメリット、デメリットは何でしょう。
上で話した、国籍による制限は入学前のデメリットの一つですね。

お互いフォローしあいましょう

まず、良い点として、日々の生活を助け合うのが容易だということがあります。
あなたが英語もしくはデンマーク語に堪能であれば問題はないのですが、それなりにしか話せない場合、大事な情報を聞き漏らすことがあります。「さっき何言ってたの?」と聞ける相手がいると頼りになります。

それから、ビザ関係などの話も共有できます。
デンマーク到着時に滞在ビザ用の書類を提出するだとか、2期目の学校に行くときにインターネットから新たな申請を行うだとか、そういう情報は国籍によって多少違いがあったりします。同じ手続きをする日本人がいれば安心ですね。

日本人同士で固まってしまう

日本にいると気が付きませんが、自分の母国語で話せるというのは非常に気が楽なものです。また、同じ文化バックグランドを共有しているので、話さなくても色々わかってもらえます。
そんな安心感から、ついつい日本人同士で集まってしまうもの。

もちろん、日本人同士で話すのも良いことです。後述しますが、ホイスコーレでの日本人と積極的に関わることについてもポジティブにとらえています。英語では語らえないような内容の深い話をできることでしょう。

ただ、他の人の立場から見ると、同じ国籍だけで固まっているグループには近づきにくいものがあるんですよね。彼らの母国語で話している、その輪を崩してしまうので。
あなたと仲良くなりたいと思っている他国籍の相手に、そんなことを思わせているかもしれません。

先生が日本人向け教育に慣れている

僕が受けていたデンマーク語コースでは、先生が日本人生徒の癖を非常によく知っていました。「日本人はこの音の発音ができない」とか、「日本人はこの文法事項をよく間違える」とか。
それは確かに的を射ており、的確な指導になりました。

普段の会話においても僕らのしゃべり方の癖を考慮してくれていて、僕らの発音が正しくできていなくても類推して理解してくれたり、日本人にわかりやすい音で話してくれたりしていました。

先生と話せたから自信を得てしまうんですよね。他のデンマーク人と話しに行ったら「何言っているのかわかんないよ」としかめっ面をされたりもしました。
まぁそんなエピソードもありながらも、学習の初期段階において先生方の日本人向け授業は非常に助けになりました。

オンリーワンになれない

グループの中に同じ国籍が自分しかいない状況だと、それだけで特別な存在になることができます。特にヨーロッパでは、周りは似たり寄ったりのヨーロッパ文化。日本の文化はひと際異質で、何でもないことで大げさに喜ばれることがあります。

セルビアでセルビア語の授業を受けていたとき、クラスに日本人は僕だけでした。初回の授業で、それぞれ自分の名前を自分の国の言葉でホワイトボードに書いたのですが、「2つも文字(漢字とひらがな)を持っているなんて超クールだ!」とクラス中が盛り上がりました。あまりの興奮ぶりに、「他にカタカナもあるんだよ」とは言い出せないほどでした。

もちろん、日本人が多数いるとそんな驚きも薄れ、ただの日本人A,B,C になってしまいますね。

日本人が多いことについて、日本人はどう思ってるのか

「ホイスコーレに日本人がたくさんいることについてどう思う?」
そんな質問を日本人生徒に投げかけてみました。やはり、海外に暮らす目的は、外国の文化と人に触れてみたいことだと考えていたからです。

結果としては、ほとんどみんな同じような意見を言っていたんですよね。
要約するとこんな感じです。

「初めはびっくりした。こんなに日本人がいるなんて知らなかった。せっかく外国に来たのに、って思った。
 でも、段々これも良いなって思うようになった。色んなことが話せるし、その人たちとの関係も日本では築けなかっただろう深いものになったから」

僕がびっくりしたのは、英語が堪能で積極的に他国籍の人とコミュニケーションを取っている子でさえ大体同じ考えだったことです。
確かに、日本人がどれだけいようと他の国の人と話すことはできますからね。そこは完全に自分次第。その目的に関してマイナスに働くことはないのでしょう。

日本人の少ないホイスコーレは

それでも、この記事を読んでいる人の中には「日本人の少ないところに行きたい」という人もたくさんいることでしょう。
「外国人のたくさんいる環境」と「日本人のいない環境」は似ているようで確かに非なるものです。

そんなあなたは、デンマークのフォルケホイスコーレ以外を選択した方が良いかもしれません。ホイスコーレは日本人にとっていくらかメジャーになり過ぎたようです。

ただ、どうしてもホイスコーレにこだわるならば、いくつかポイントはあります。

まず、英語での授業を行っていないことです。英語あるところ日本人の影ありと肝に銘じてください。
次に、日本語で検索して情報の出てこないところです。フォロワーはたくさんいます。そうではなく、あなたがパイオニアになってください。

もし、日本人の少ないホイスコーレの情報があったとしても、このブログでは紹介しません。「隠れた名店」も紹介した途端に「有名な名店」になってしまいますので。

逆に、「このホイスコーレにはたくさんの日本人がいるよ」という情報を知っていたら、コメントなどで教えてください。日本人の多い学校について追記していこうと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
デンマークのフォルケホイスコーレにたくさんの日本人が集まっている、その現状について紹介しました。期待しているものとは違うかもしれませんが、それもきっと良いものですよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。

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