Jazz Chillin’と眠れぬ夜
セブ旅行4日目のお話の続きから5日目です。この日は本当に色々ありました。ハゼをじっと見ていた出だしからは想像できませんね。
音楽の第4夜
ポロ島のカモテス港からオーシャンジェットフェリーでセブ港に直通です。料金は500ペソ(約1,000円)です。乗船時間は約2時間と、ダナオ港よりだいぶ遠いのに短時間で着きました。
帰ってきたセブ
セブ港に到着すると、相変わらず「タクシー?」の嵐で迎えられました。19時半ともなると空は完全に真っ暗です。でも、セブに泊まるのも2日目なので多少の土地勘もあります。「ノータクシー」とお答えして余裕のある感じで歩きだしました。
港を離れてすぐに大きめの公園がありました。公園好きの血が騒ぎます。
公園内はとても健全な感じでした。ランニングしている人がいたり恋人と散歩している人がいたりします。また、何組かの高校生らしき若者がダンスの練習をしていました。どれも20人を超えるような大所帯だったので、趣味のダンスというより、何かの発表会でもあるのかもしれませんね。青春です。
公園の向かいには、何やらライトで装飾されたお城の様な門がありました。元々は荘厳な雰囲気がありそうなのに、適当な装飾のせいで台無しです。設計者も墓の下でさぞ無念でしょう。なぜハートマークで飾り付けようと思ったのでしょうか。
ここはサン·ペドロ要塞という建物で、残念ながら夜は閉じてしまっているとのことでした。良い雰囲気なので、明日また訪れることにしましょう。
Bangketo art&meals home
港から30分弱歩いたところに本日の宿はあります。1泊約500ペソ(約1,000円)です。
門をくぐり抜けてこんにちはと入っていくと、オーナーらしき年輩の女性が慌ただしく部屋を案内してくれました。なんでもこれからミュージックライブに行くところだということで、あまり時間がなさそうです。部屋の案内ありがとうございます、楽しんできてくださいねと見送ると、彼女はくるりと振り返りこう言いました。
「あなたも一緒に行きましょう」
え、行くって、ミュージックライブに?なんの?どこの?見た通り音楽の素養はありませんし、お金もあまり持ち合わせていません。とっさの提案に、思わず僕はこう答えていました。
「その前にトイレにいっても良いですか!」
Jazz Chillin’
そうしてたどり着いたのは、音楽レストランJazz Chillin’。なかなか良い雰囲気のお店です。お値段もさぞ良い雰囲気なのでしょうと思ったら、あら意外、親しみやすさを覚えるじゃないですか。お料理も美味しいです。スタッフが無愛想なのが玉に瑕ですが、それもまたご愛嬌ということですね。
宿のオーナーとゆっくり話をしてみると、色々面白い人だなあと感じました。旅行に行った話を聞かせてもらったり、その時のご自身の水着姿を見せてくださったり。ええ、もう結構ですよ。
また、子どもたちがご自慢の様子で、なんでも末娘の美人さんがミス·セブの栄光に輝いたのだとか。すごいですね。お母さま、仲良くしていきましょう。
今日のライブに来たのも、また別の娘さんがボーカルとして歌われるからだそうです。なんとすごい。多方面で活躍されているのですねと言うと、私たちは芸術一家なのよと誇らしげです。
後で知らされたのですが、この店の内装もお母さまが手掛けたのだそうです。お店のロゴも、壁の装飾も、テーブルの木目も全て彼女の作品なのだとか。アートが好きなのですねと言うと、ええ、アートが好きなのよとけらけらとかわいく笑っておりました。
ライブはボーカルとギターのツーピースで、様々な名曲をカバーして歌っていました。さすが、お上手です。道を歩けばカラオケの聞こえてくるお国だけあります。僕が知ってる曲も少しだけありました。
途中、「何かリクエストはありますか?」と振られました。そんな質問もできるのですね。どれだけのレパートリーがあるのでしょうか。しかし質問がとっさのことだったので、僕は「あ、う、あ、、」と返すのが精一杯でした。場の雰囲気が一瞬崩れかけました。ごめんなさい。
あとは、料理に舌鼓を打ったり、お母さまと踊ったり。楽しい夜は更けていきます。
再びBangketo
ライブが終わり、余韻を噛み締めながら宿に戻りました。僕は疲れてすぐにでも眠れる状態だったので、ベッドに直行バタンキューです。
ただ、この日の夜は、何度も起こされてしまいました。僕の部屋は板で仕切っているだけで、部屋の外の音もそのまま入ってきます。そんなところで、午前1時を回っても普通の音量で話している人がいるから大変です。
我慢できず、「寝させてくれ」と言ったら、ひそひそ声に切り替えてくれました。若干のお気遣いありがとう。でもこの宿ではそれでも全部聴こえちゃうんですよ。おかげでちょっと寝不足です。
ボホールへ5日目
昨夜のお母さまの話に触発されて、ボホール島とシキホル島に行くことにしました。まずはボホール島へ。セブ港から約2時間、500ペソ(約1,000円)です。
サー·タクシー·サー
ボホール島のタグビララン港に着くなりいつものお出迎え、タクシーとモーターバイクの猛烈アピールです。
「サー、タクシー」
「タクシータクシータクシー」
「タクシー、サー、タクシー」
今までで一番の客引きでした。まるで自分の名前がタクシー大佐なのじゃないかと思ってしまうほどの声がけにちょっと食傷気味です。
Open Door Heaven
本日のお宿は港から程近いOpen Door Heaven。1泊375ペソ(約800円)です。
4人部屋に男4人、スペイン人、イタリア人、中国人の構成でした。
施設はあまり充実しておらず、あと蚊が多いのが欠点ですね。オーナーのおばちゃんは愛嬌がありましたが、その他特筆するほどのものはないです。宿代を節約したい方はどうぞ。
夕陽を求めて
宿にチェックインをした後、3時くらいから周りの散策を始めました。交通量が多いし、歩いてもあまり楽しくないなというのが正直な感想です。
5時半ごろ、西に沈み行く夕陽が印象的で、良いスポットから日の入りを見たくなってしまいました。ボホール島西海岸の近くを歩いているので、一本西に行ければすぐ海のはずです。ですが、どの道を行けども行き止まりでした。結局海にはたどり着けず、自分がどこにいるのかよくわからないうちに日は落ちてしまいました。
ボホール島は僕には向いていません。明日は早い便でシキホル島に向かうことにします。
歳はアラフォー、性別は男。風薫る季節、北の大地で生を受ける。家庭なし、収入なし、計画性なし。まだ知らぬ場所での生活にあこがれて旅立ってしまったアラフォーマン。
2019年5月に日本を離れ、デンマーク、リトアニア、ジョージアなどで学校に通ったりしながら過ごす。2024年9月現在、日本語を教えるボランティアとしてベトナムに滞在中。
好きなもの:公園、散歩、ジャグリング
苦手なこと:料理、おしゃれ、あと泳げません