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アラフォーからの挑戦状。

トルコのじいちゃん、国へ帰る

こんにちは、アラフォーマンです。
世界は人の移動を大きく制限してコロナと戦っているところですが、自国に帰ってくる自国民は基本的にどこも受け入れています。

トルコのおじいちゃん

先週、同じ宿で隣の部屋に滞在していた、トルコ人のおじいちゃんが地元へ帰っていきました。ちなみにジョージアとトルコはお隣の国同士です。僕らのいるバトゥミからは20㎞も南下すればトルコ国境です。

サヨナラのプレゼント、タンブラーをもらいました
お別れのプレゼントにタンブラー(かなり使用済み)をもらいました

ずっと自分の家に帰りたかったみたいで、顔を合わせるたびに「どこにも行けない」「することがない」と寂しそうにしてました。
普段は地元の友人とビデオコールでもしていたのでしょう、部屋からはいつも大きな声が聞こえてきたものでした。トルコ語の内容がわからない僕にはその声は怒っているように聞こえていましたが、怒鳴り声に時折混じる笑い声から察するにきっと楽しく怒鳴りあっていたのでしょう。

彼はしゃべり方こそちょっと怒っているみたいですが、愛嬌があってとてもかわいらしいおじいちゃんでした。
僕らが会うのは上の階にあるキッチン。テーブルでご飯を食べている僕を見かけると、いつも階段の途中から顔をクシャっと綻ばせて「ハーウ アーユ?(How are you?)」と聞いてきたものです。

彼はコーヒーが好きで、しょっちゅうキッチンにコーヒーを用意しに来るんです。そして僕の皿をのぞき込んで言います。「今日もパスタを食べてるのか。昨日もその前もパスタだった
「だって料理は苦手だから」と僕が言うと、彼は「パスタばかりじゃ体に良くないよ」と言うんです。僕は笑ってごまかします。もう何度も何度も繰り返したお決まりのパターンです。

そして「今日は何したの。明日は何するの」なんて話をします。お互い公園の散歩とスーパーマーケットへ買い物ぐらいしかすることがないのを知っています。いつも同じやり取りです。晴れ渡った空の日は「天気が良いね」と、雨が降りそうな日は「天気が悪いね」と言いました。

そうこうしているうちに、コーヒーのお湯が沸きます。
彼はよく僕の牛乳をちょっとだけねだりました。コーヒーはミルクありが好きなんだけど、それ以外では牛乳を飲まないから自分ではパックは買わないんだそうです。
「いくらでも使ってよ」と牛乳を注ぐと、「タァーンキュ ベリマァッチ!(Thank you very much)」と言って、コーヒーカップを持ってにっこにこで階段を降りていくのでした。

静かな食卓で

トルコのおじいちゃんが僕らの宿を離れてから1週間が経ちました。
隣の部屋からの怒ってるような声は聞こえなくなり、キッチンでご飯を食べているときに誰かが来ることもなくなりました。

別に寂しいと言うほどではないんです。ぽっかりと心に穴が空くような、そこまでの深い付き合いでもないですもんね。
ただ、キッチンのテーブルに座った時に、ちょっと思い出すことはあります。今頃地元でどうしてるんだろうなぁって。

へい、カミル。こっちはますます暖かくなって、街も陽気に包まれてきたよ。トルコはどうだい。楽しく暮らしているのかな。
きっと地元の友達と仲良く怒鳴りあってるかもね。ハーウ アーユ?タァーンキュ ベリマァッチ!

カミルのチェックアウトの朝、キッチンで。
カミルのチェックアウトの朝、キッチンで。

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