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アラフォーからの挑戦状。

国境を越える

さようならマケドニア。ほんの僅かの滞在だけど、僕はここが好きだったよ。
それでは、また来る日までさようなら。

そうして僕はアルバニア行きの夜行バスに乗り込んだ。

夜行バスの旅

ただいまブルガリアからポルトガルまで移動中。マケドニア、アルバニア、イタリアを経て、ポルトガルのコインブラ市に向かう。
昼行バス、夜行バス、早朝フライトに深夜フライトとかなりハードな日程だ。バスの中だろうと寝れる時には寝ておかないといけない。

夜行バスに乗るたびに思う。もう若くないのに、いつまでこんな旅をしているのかな、と。ガタの来はじめているアラフォーの体は、不快的な長旅を堪えてくれない。それでも僕はバスに乗る。

きっとこの先も僕はずっとこうなんだろう。ここから成長する気がしない。僕が夜行バスに乗らなくなるなら、それはきっと僕が旅をやめたときなんだろう。
ま、どうでもいいか。別に。

そんなことをぼんやり思いながら、1、2時間。だんだん眠くなってきた……

パスポートが必要です

「おい、ジャポネズ(日本人)!」
いきなり添乗員のおじさんに起こされた。どうやらしばらく眠りに落ちていたようだ。いつの間にか国境に到着している。パスポートを出さなければ。

寝起きのぽんやり頭でバッグを抱え、パスポートを取り出そうと……あれ?
パスポートが入っているはずのポケットが開いている。何でだ?なんだか胸騒ぎがする。

嫌な予感は当たるもの。ポケットに手を突っ込んでも、そこにパスポートは入っていなかった。さぁっと血の気が引いていくのがわかった。
ええと、何でポケットが?いつから?落とした?パスポート。朝は、あったか?あったはず。あったよな?あれ、あの時、閉めてないの――

添乗員「早くしろ」
僕「ちょっと待って……」
添乗員「パスポート!」
僕「……」
添乗員「プロブレムか!?」
僕「……(コクン)」

添乗員はチッと舌打ちをして、足早に出口に向かった。バスを降りる前に何かをこっちに叫んだ。
乗客「来いって言ってるよ」「早く行きなさい」
周囲の心配そうな表情が不安を煽る。まともな思考回路も持てないままに、僕もゆらりと出口に向かった。

落ちてる

ええと、ここは国境で、パスポートが必要で、でも失くしちゃって、ということは国境を越えられなくて、バスは待ってくれないから、ここで降ろされるよな。今は深夜だからきっとここに泊まらせてもらって、明日マケドニア行きのバスを拾って、スコピエに戻って、日本大使館?あるのかな?でパスポート紛失の申請?え?

その時、僕の近くの席に座っていたおばちゃんが大声を上げた。
「ああああ、あれ!」
おばちゃんが指差すのは僕の席。「あれ!あれ!」とこちらに向かって連呼している。
よくわからないけど戻ってみると、おばちゃんの指差す先には、小型の赤色の小冊子が座席と壁の間に挟まっていた。

うええ、パスポートじゃん!街で失くしたと思った!バッグから落ちたの、バスの中だったのか!

毎度のうっかりにすっかり肝を冷やしたアラフォーでしたが、無事にアルバニア国境を越えることができました。ありがとうおばちゃん。ありがとう。

ちゃんちゃん

日本を出発してからずっとパスポートはこのポケットに

コメント

  • あけおめです。
    コインブラ大学は古く由緒ある学校ですよね。ポルトの街並みが好きです。
    って、もうポルトガルにはいないのかな。

  • ぐちさん、こんにちは!
    コインブラ大学知ってるんですね。はい、歴史のある古い大学のようです。伝統ある大学ということで、街中で歌ったり叫んだりという風習も残っていました。

  • 久しぶりです。元気そうで何よりです!私も一度パスポートを飛行機の中で落とし、スチュワーデスさんにこれ貴方のですか?と渡されたことがあります。それ以来ボタンのあるポケットにしか入れなくなりました。気を付けましょう!

  • IchiSさん、こんにちは!本当にお久しぶりです。
    こんな僕でも、まだ少し気にかけてもらえていたんですね。ありがとうございます。
    よーし、少し更新します!

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