デンマークビザ申請での英語面接
デンマークへの居住許可を申請すると、英語力のチェックのための面接を要求されることがあります。申請の要綱には書かれていない、この面接は一体どのようなものなのでしょうか。
居住許可の申請には、デンマーク移民局への申請と、ビザ申請センターでの生体情報の登録が必要です。詳しくはデンマーク学生ビザ申請の流れをご覧ください。
どんな人が英語面接に呼ばれるの?
どんな人が面接が必要になるか、明確な基準は存在しないようです。
審査官が「こいつ英語しゃべれるか怪しいな?」と感じた人に対して確認しているようで、入国管理局(デンマーク)から在日デンマーク大使館(日本)に面接指令が下り、大使館の係の人が居住許可申請者を呼び出して面接を行うといった流れです。
面接はできることなら避けたい
英語面接を受けることになると、平日の午前に東京のデンマーク大使館に伺わなければいけません。僕は神奈川在住なのでまだ良いのですが、地方の方は東京に出るだけで一旅行ですよね。平日なので、お仕事などある方はお休みももらわなければいけません。
英語面接自体よりも、面接を受けに行くことの負担が大です。可能なら面接になるのは避けたいところです。
英語面接が必要かは何を判断材料としている?
さて、審査官は何を英語力の判断材料としているのでしょうか。
僕はフォルケホイスコーレという学校に通うためのST1という居住許可を申請しました。
この申請において審査官に対して送った書類で自分で何かを記入したのは居住許可の申請書のみです。その他の書類はパスポートのコピーや入学許可のコピーなので、申請者の英語力の判断には関係ありません。また、申請書についても生年月日や経歴など事務的な事柄を記入するのみで、特に英作文などがあるわけではありません。
これで英語力を判断するのは難しいと思うのですが、一つだけ「ここが判断基準かもしれない」と思う箇所がありました。
申請書の中で、学歴や職歴を記入した後、唐突にCommentsという欄があります。書いてあるのはCommentsだけで説明は何も無いですし、何についての記入を求められているのかわかりません。いわゆる備考欄かと思い空欄のままで提出しました。「提出書類に不備がある場合は書き直しを求められることがある」とのことですが、この欄が空欄だということで書き直しとはなっていません。
ですが、もしかしたらここに何かしら書いた方が良かったのかもしれません。例えば、デンマーク生活に向けての意気込みだとか、フォルケホイスコーレで頑張りたいことだとかですね。
実際にここに書いた内容で英語力を判断をしているかは不明ですが、書けるところには何かしら書いた方が無難かもしれません。ここに何かを書いたことでマイナスになることはないと思います。
一方、もしCommentsが英語力判断のポイントではないとすると、その他に考えられるのは年齢とかでしょうか。「アラフォーでフォルケホイスコーレなんて、気楽な英語留学のつもりで来てるんじゃないか」と思われている可能性はあります。
実際のところ、近年、フォルケホイスコーレに行く日本人が多いことがちょっとした問題になっているそうで、審査も厳しくなっているという噂があるようです。
日程の調整
居住申請の審査が始まった後、面接該当者にはデンマーク大使館の担当者から次のようなメールが届きます。「英語面接を行うので大使館まで来てください。都合の良い日を教えてください」と。
僕の場合は、早く済ませたかったので呼び出しメールの2日後に面接を行いました。結構タイトな日程でも対応してくれるようです。申請の時間的な例について詳しく知りたい方はデンマーク学生ビザ申請の流れをご覧ください。
面接の環境
さて、面接はどのように行われるのでしょうか。
デンマーク大使館
デンマーク大使館は渋谷の代官山エリアにあります。大通り沿いにありますので、見落とすことはないと思います。代官山の蔦屋書店をご存じの方は、その向かいと言えば分りやすいでしょうか。
面接自体は、大使館に併設されている領事館で行われました。建物外の領事館インターフォンを押すと誰かが受話器を取った音がしたので、「英語面接を受けにきた」旨を英語で話しかけました。ここが一番緊張しました。
こちらが英語で用件を伝えると、インターフォンの向こうから、「はい、中に入ってお待ちください」と日本語で対応されました。姿は見えませんでしたが受け付けてくれた方は日本人でした。日本語で話して大丈夫なところでした。
待合室券面接部屋
面接時間の15分ほど前に領事館に着いたので、入ってすぐの受付のある小部屋で待ちました。3畳ぐらいのスペースで、チケット売り場の窓口のようなガラス越しの受付があり、マイクを使ってやり取りができるようになっています。
面接時間になったら、そのままそこで面接が始まりました。どこかの会議室ではなく受付です。ガラス越しのやり取りです。ちょっとびっくりしました。
マイクの音質は悪くないので聞き取りにくいということはあまりないです。また、相手の姿はガラス越しにしっかり見えるので、身振り手振りも使えるしその辺はやりやすいです。
面接官
僕のときの面接官は金髪の女性の方でした。お名前の文字にウムラウトが入っていて、これはデンマーク文字ではないので、もしかしたらドイツ系の方なのかもしれないなと思いました。やり取りは全て英語でした。日本語は一度も使いません。
面接官の英語は、ゆっくり、はっきりと、簡単な文章で喋ってくれたので、とても聞き取りやすかったです。この面接で確認しておきたい英語のレベルというのが本当に必要最低限のコミュニケーション能力なのだと思います。
なお、この方が主体的に何かを聞いてくるということはなさそうです。入局管理局から送られてきた質問事項のリストがあり、それに沿って事務的に面接が進められました。
面接時間
面接が始まってから部屋を出るまで約50分でした。途中で時間を気にしている様子もなかったので、こちらの受け答えのスムーズさ次第で時間は多少前後しそうです。
所持品
何も必要ありませんでした。パスポートや居住許可の申請書などの提示も求められませんでした。
とは言え、パスポートぐらいは携行した方が良いかもしれませんね。念のため。
英語面接の内容
聞かれること
まず、申請書に書いたことを全て聞かれます。
年齢・学歴・職業・デンマークへの渡航歴、今回の滞在予定など。
次に、「デンマークに何をしに行くか」を聞かれました。
僕の場合はフォルケホイスコーレに学びに行くということを答えました。続けて、フォルケホイスコーレとはどういうものか、デンマークについて知っていること、なぜデンマークを選んだのかなどの質問がありました。フォルケホイスコーレが終わった後はどうする予定なのかなども聞かれましたが、まだ決まっていないので、そのように答えました。
最後に、ビザが許可している範囲について確認されました。
ST1では働くことができるかとか、New to Denmarkに記載されている内容です。事前に読んでおいた方が良さそうです。
回答した内容の確認
面接での僕の回答は、面接官が質問事項リストに全て記入しています。リストの質問を終えた後、面接官からその用紙を受け取り、記載内容に間違いが無いかのチェックを行います。もし間違いがあれば、訂正欄にその旨を記入します。訂正中は面接官はどこかに行っていました。
僕の場合、小さな間違いが2か所あったのでそれを訂正しました。例えば、「フォルケホイスコーレでは何の資格も得られない」と答えたつもりなのですが、「フォルケホイスコーレでは得られるのは資格だけだ」と書いてありました。
ちなみに、この質問事項用紙の最後に面接者からの評価欄として「コミュニケーションに問題無し」とか「何とか意思の疎通はできる」とかの選択肢があります。普通は面接が全て終わった後に記入するところだと思いますが、僕のときは内容確認のときに既にチェックが入っていたのでその場で見れました。大丈夫そうな項目だったのでほっとしました。
結果通知
英語面接を受けた後、約10日でビザ申請センターから連絡が届きました。結果の郵送を希望していた場合は1,2日後ぐらいにレターパックで通知書が届くと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
デンマークへ居住許可を申請する際の英語面接について紹介しました。聞かれる内容はデンマークやフォルケホイスコーレの基本的な事項で、求められている英語レベルは「意思の疎通が可能であること」程度です。英語面接に呼ばれる方は少数かもしれませんが、この情報がお役に立てれば嬉しいです。
居住許可通知書の内容については、デンマークの居住許可通知書をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。
歳はアラフォー、性別は男。風薫る季節、北の大地で生を受ける。家庭なし、収入なし、計画性なし。まだ知らぬ場所での生活にあこがれて旅立ってしまったアラフォーマン。
2019年5月に日本を離れ、デンマーク、リトアニア、ジョージアなどで学校に通ったりしながら過ごす。2024年9月現在、日本語を教えるボランティアとしてベトナムに滞在中。
好きなもの:公園、散歩、ジャグリング
苦手なこと:料理、おしゃれ、あと泳げません
コメント
はじめまして。アラフォーマンさま。
貴重な体験談をありがとうございます。
わたしもアラフォーにしてデンマークに行こうと思っています。
(計画性もなく、とにかく行ったらなにかあるさタイプ 笑)
さて、デンマークに行くために
私の切り札である教員経験と教員免許を使おうと思いましたが
就労ビザがいると言われました。
その就労ビザをどこで
どう取るのか?ネットで調べてもわからず
アラフォーマンさまの記事に辿り着いてしまったというわけです。
よろしければおしえていただけませんか?
よろしくおねがいします。
大塚さん、こんにちは!
返信が遅れてしまいごめんなさい。そして、就労ビザについては何も知らず、そちらもごめんなさい。
デンマークで教員に挑戦、良いですね!とにかく行けばなんとかなる、そのスタンスはすごいです。何の役にも立てないブログですが、無事の渡航と充実した旅をお祈りしています。