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アラフォーからの挑戦状。

エビスコム『WordPress レッスンブック』

「WordPress レッスンブック」について紹介します。ブログを作るソフトウェアであるWordPressの教則本です。

エビスコム『WordPress レッスンブック』

総合評価

 3点 ★★★☆☆

なかなかの良書です。ただ、出版が2014年と若干古く、内容に少し齟齬が生じている点に注意が必要です(この記事は2019年1月に記述)。

この本の目的はWordPressで「テーマを作成すること」です。説明の範囲は広くないものの、非常に丁寧に解説しており、楽しみながらテーマを作成することができます。実践しながら身に付けるスタイルが好きな方には特におすすめです。

書籍情報

著者:エビスコム

定価:3,024円(本体価格 2,800円)

発売日:2014年6月18日

判型/ページ数:B5変形/320ページ(オール4C)

ISBN:978-4-88337-924-8

ソシム株式会社刊

本の内容

この本で学べること

この本の目的はWordPressで「テーマを作成すること」ですね。「WordPressを使いこなすこと」ではありません。WordPressの全般を学びたい方は他の本を当たった方が良いでしょう。

テーマの作成については非常に丁寧に解説しており、本の通りになぞるだけで立派なテーマを作成することができます。

一方、本テーマの製作に無関係な要素については潔く説明を省いており、辞典のような系統だった知識を期待するとがっかりするでしょう。

対象とする読者のレベル

ほとんど何の知識も無くても大丈夫なようにできています。特に、HTML、スタイルシート、phpについては前知識ゼロでも問題ありません。

陥りがちな失敗

注意すべき点の一点目は、出版から時間が経っていることです。2014年6月と既に4年以上が経過しており、本質的なところは変わらないのですが、一部内容がずれてきているところもあります。

例えば、GoogleFontsやAwesomeといった外部の便利機能が利用されているのですが、そのリンク先やリンクの記載の仕方が変わっています。

二点目は、ホストサーバーによるWordPressインストール機能を使っていないことです。これはWordPressの中身ではなく仕方のないことではあるのですが、「ファイルをアップロードするやり方」や「どこにアップロードすべきか」がわからないといった場合にこの本はフォローしてくれません。初心者が一番理解しづらい部分であり、それができずに最初の章から脱落する人もいそうです。

その様な問題に直面したときに、最低限自分で調べられる程度の能力は必要です。

抜群のわかりやすさ

この本は説明がとてもわかりやすく、ふんだんに出てくる画面写真を見ながら出来上がりのイメージを持って一つ一つのコードを追っていくことができます。コードは赤青と色分けがなされていて、新しく記述する部分が一目でわかるようになっています。

また、1ステップごとの作業量はかなり少なめで、ときに1行のコードで1ページを使って説明していることもあります。このように短く区切って説明してくれると内容を理解しやすく、また間違いがあったときにもすぐに気が付くことができます。

説明の範囲も、最低限ながら十分で、今までHTMLやスタイルシート、phpに触れたことのない方でもやっていることを理解しながら取り組むことができるようになっています。

基本に忠実で実用的なデザイン

完成されたブログは、無駄がなく、かつ必要なものはかなり網羅されているといった印象です。また、デザインもシンプルでありながらかっこよく、作り手のセンスを感じます。

パーツの配置などを変えたいときはどこをどういじるべきかをレッスンの過程で学べるため、一冊通して作成した後は自分好みにアレンジすることもできるようになっているでしょう。

ゲームのような楽しさ

この本のもっとも優れている点は、まるでゲームをクリアしていくかのようにサイトができあがっていくことです。

最初に簡単な骨組みを作ります。そこに必要なパーツを足していきます。併せて、適宜見た目をいじってスタイリッシュにしていきます。その過程がリアルタイムで目に見えるため、作業が前に進んでいることを実感しながらサイトを作っていくことができます。これがまた楽しいんですよね。もっと先へ、もっと先へと進めていきたくなります。

内容はちょっと薄い

本の厚さの割に、中身はそれほど濃くありません。それは説明が丁寧なことの裏返しでもあります。

これ一冊で幅広い知識をカバーすることはできません。あくまで「テーマを作る」を実践することを目的としており、価格と比べると量は物足りないかもしれません。

まとめ

以上の様に、かなり良い内容の本ではありますが、いかんせんちょっと古いのが玉に瑕です。コンピュータ関係に自信が無く、これからWordPressを始めようという方はもっと新しい本を探した方が良いかもしれません。一方、つまづいたときも簡単なことなら検索して調べられるという方にはお勧めです。重大な欠陥ではなく、検索すれば修正方法がすぐに見つかるものです。前提とする知識はほとんどなく、phpなどの知識も必要としません。

僕個人としては非常に楽しく学べたので、またエビスコムさんの他の書籍にもトライしてみようと思います。そちらも終わったらレビューを書きますね。では、今日はこの辺で。

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